ここでは、漫画「嘘喰い」についてお話していきたいと思います。
嘘喰いは現在は完結していて、コミックでは全49巻の作品になっています。
いきなり結論を話しますと、個人的には嘘喰いはギャンブル漫画としてはトップレベルに面白いと感じた作品ですので、今回はその魅力などについて語っていきたいと思います。
また、魅力を語る上において、多少のネタバレを含むかもしれませんが、そのあたりはご了承ください。
目次
嘘喰いのあらすじ
まず、ざっとあらすじを紹介させていただきますと、本作の主人公で「嘘喰い」という異名を持つ斑目貘(まだらめばく)
彼は欲しいもの全てをギャンブルで手に入れるギャンブラーなのですが、その彼が欲しがっているのが倶楽部「賭郎」という組織の長の座。
この賭郎という組織は、賭博を取り仕切る組織で、賭郎の長は「お屋形様」と呼ばれています。
賭郎の長に君臨するには、お屋形様との勝負、「屋形越え」に勝たなくてはならないのですが、この屋形越えを行うにはいくつかの条件を満たす必要があります。
その条件を満たす為、また、屋形越えを果たす為に斑目貘は様々な勝負の場に臨むことになります。
と、大筋の流れはこんな感じで、最初は斑目貘が屋形越えを目指すというストーリーに思えるのですが、最終巻ではその屋形越えすらがひとつの通過点に過ぎなかったというのが分かります。
まあ、あらすじに関してはWikipediaでガッツリ紹介されていますので、ネタバレを気にしないという方はWikipediaの方もチェックしてみて下さい。
嘘喰いの3つの魅力
嘘喰いを読んで特に面白いと感じたポイントを3つ紹介したいと思います。
知略溢れる戦略と心理戦
漫画の場合、内容が勝負事だったり、特にギャンブルなんかですと、やっぱり勝つための戦略だったり相手との駆け引きの描写がひとつのポイントだと思うのですが、嘘喰いはこのあたり本当に細かく描かれていると思います。
対人間のギャンブルにおいて、絶対に勝つ方法があるとすれば、相手の思考を読み取る能力はさることながらそこにイカサマが発生するのは自然の流れだと思うのですが、斑目貘の場合、相手のイカサマを読み切って逆手に取る能力が異常なんですね。
まあ、そこが漫画のタイトルである「嘘喰い」=「対戦相手の嘘の喰らう」ってことになっているんだと思います。
※嘘喰い「第53話 宴は続く・・・」より抜粋
嘘喰いに出てくる勝負内容というのは、本当に単純なものが多く、例えば
・ババ抜き
・ラビリンス(←クリックするとゲーム内容が表示されます)
・あっち向いてホイ
他にも相手の持っている玉の数を当てる勝負とか色々あるのですが、とにかくゲーム自体は単純明快なものが多いんですね。
もちろん、ここに嘘喰い独自のルールが追加される訳ですが、ただ、これらのゲームを普通にやった場合、まあ運否天賦の勝負になってどっちが勝つかなんて分からなくなりますよね。
それをイカサマあり、自分の思惑通りに相手を動かす心理戦ありといった感じで細かく描写されているので、ついつい読み入ってしまうんですよね。
時に確率論なんかの話にもなるんですが、もう複雑すぎて訳が分からなくなる話もあるくらいです(;^_^A
とにかく、ギャンブル漫画ではイカサマとか心理戦とかってのは肝の部分になると思うのですが、嘘喰いに関しては本当に斑目貘が凄いというか、作者である迫稔雄さんが天才なんじゃないかと思うような内容になっています。
本格的な格闘漫画と思わせるようなバトルシーン
対人間とのギャンブルにおいて必要な力が2つあるとして、ひとつは先に挙げたようなイカサマを含めた智謀、もうひとつは文字通りの力、単純に言えば「暴力」です。
勝負に負けた相手が開き直って暴力に打って出る、それを防ぐためにも武力という後ろ盾は必要で、ゲームによってはこの暴力での勝敗が直接ゲームの勝敗に関係してくるものもあります。
特に主人公の斑目貘は非常に身体が弱く(ついでにジャンケンも弱いw)、ちょっと走ったくらいで息切れする程なので、この「暴力」という盾は必須なんですね。
嘘喰いに出てくるギャンブラーはとても個性の強い人物が多いですが、この暴力に特化した人物たちも非常に魅力的な人物が多いです。
嘘喰いのバトルシーンはファンの間では「暴力パート」なんて呼ばれることもあるみたいですが、中でも人気が高いと思われるのが伽羅(きゃら)さん。
ハンパじゃなく強くてかっこいいんですよね~!なんせ決め台詞というか口癖が
「(相手が誰であろうと)俺が殺る側だ!!」
というね、もう生まれながらの強者なんですよね。
※嘘喰い「第174話 嵐のあと」より抜粋
とにかく、伽羅のバトルシーンは迫力のあるものばかりで面白いです。
ちなみに、個人的に嘘喰いの中でのベストバウトを挙げるとするなら2つ(2つあるんかいっw)
切間撻器 VS 夜行妃古壱
伽羅 VS キョンホ・ジョンリョ
切間撻器VS夜行妃古壱というのは、どちらも賭郎の立会人という立場で、號奪戦という戦いになります。
この號奪戦は10秒で勝負を決めなければならないルールなのですが(10秒で勝負が決しなかった場合は挑戦者側の負け)この10秒の中身が異常に濃いです。
もうひとつは伽羅VSキョンホ・ジョンリョ。
こちらは毒孕薬奪という勝負で、お互いに死に至る毒を飲み、5分以内にひとつだけある解毒剤を手にしなければならないという勝負です。
號奪戦もこの毒孕薬奪もどちらも時間制限がある勝負で、おまけに勝負が始まる前はこの4人とも負ける姿が想像できないので、読んでいてハラハラします。
また、この2つの勝負は、斑目貘が屋形越えを果たす為のターニングポイント的な勝負になっているので、他にも面白い勝負はあるのですがここではあえてこの2つを挙げさせてもらいます。
第1話から最終話まで随所に散りばめられた伏線
伏線が凄い漫画というと、有名なとこではワンピースなんかが凄いと言われますが、この嘘喰いも全然負けてないです。
まあ、「厳密に伏線とは何ぞや?」という話はさておき、後になって以前の描写の意味が分かるという意味では、先程書いた斑目貘は身体が弱いという事、これも実はちゃんとに理由があります。
また、第1話で斑目貘が登場してすぐ何気にカリ梅を食べるシーンがあるのですが、これも意味があります。
しかもこれらの理由が分かるのが第538話。最終話が第539話ですので、その1話前に分かるんですね。
これも壮大な伏線のひとつと言っても良いんじゃないでしょうか。
他にも勝負に勝つための仕掛けが何話も前からサラッと描写されていたり、仲間の何気ない行動が勝負を左右することになったりするのですが、もうひとつ大きな伏線だと思うのがあります。
それは、お屋形様の素顔が初めて晒された時の斑目貘との会話なのですが、斑目貘がお屋形様に対して「アンタ、忘れっぽいみたいだからさ」というセリフがあります。
嘘喰い「第69話 交換条件」より抜粋
これがですね、後々大きな意味を持つことになります。
と、他にも色々あるのですが、とにかく後付けではない最初から計算されていたようなストーリーになっているので、その辺りも読んでいて面白いポイントのひとつだと思います。
嘘喰いのココが面白い!全巻を読み終えた感想とレビューのまとめ
嘘喰いの面白いと思ったポイントを3つ挙げてみました。
ギャンブル漫画として、ここまで「智」「暴」がバランスよく描かれている漫画って結構少ないと思います。
個人的には31巻~43巻までの「プロトポロス編」というゲームの世界を現実化した島で行う勝負が好きですが、もちろん全巻通して面白かったです。
ギャンブル漫画が好きな方は、ちょこっとチェックしてみても損はないんじゃないかと思います。
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