甲子園って、毎年様々なドラマが起きますよね。
そして、昔も今も変わらずに、必ず見る光景がひとつあります。
それが「高校球児が甲子園の土を持って帰るシーン」
負けた高校の選手が、泣きながら砂をかき集めているシーンって印象的ですよね(実は優勝した高校の選手も持って帰ったりしてますが)
甲子園の土を持って帰る理由は選手や学校によってそれぞれだと思いますが、ただ、これってちょっと角度を変えて見てみると、疑問に思う事があるんです。
「こんなに甲子園の土を持って帰って無くなったりしないのかな?」という事。
そこで、今回は甲子園の土について調べてみることにしました。
目次
甲子園の土ってなくならないの?
結論から言ってしまうと、甲子園の土がなくなることはありません。
まあこれは当たり前というか、ある種当然の事なんですが、もし甲子園の土が無くなってしまったら野球どころの話じゃないですもんね(^^;
甲子園球場は1924年に作られたものですが、昔も今も土が無くなったなんて話は聞きません。
とは言っても、春と夏、年に2回あれだけの数の高校球児がいる訳ですから、土の持ち帰る量も相当なものになりそうですよね?
ちなみになんですが、大体どのくらいの量の土が持ち帰られているか分かりますか?
年間で約2トン程持ち帰られているそうです。
毎年これだけの量の土が減っていく訳ですから、仮に無くならないとしてもそれなりに影響が出そうなもんですが、「全体からするとごく少量」という事で実はそれ程影響もないようです。
甲子園の土は補充されている?
高校球児たちが土を持ち帰っても影響がないというのにはもうひとつ理由があります。
それは「甲子園の土は補充されている」ということです。
2年に1度、暮れから正月にかけてのシーズンオフ期間中に、阪神園芸さんという企業が、減った分の土を追加して補充しています。
甲子園の土ってどんな土でどこから持ってくるの?
甲子園の土の作り方は黒土と砂のブレンドで、様々な土地の土が配合されて出来ています。
黒土に関しては今までに
・岡山県日本原
・三重県鈴鹿市
・鹿児島県鹿屋
・大分県大野郡三重町
・鳥取県大山
などの土が使われてきましたが、毎年「ココ!」という場所は決まっていないようで、その時その時で使われる土の産地は変わるようです。
砂に関しては
甲子園浜及び香櫨園浜社有地~瀬戸内海産の砂浜~中国福建省~京都府城陽というように変遷しているそうです(鳥取砂丘の砂が使われているという話もあるようですが、それはどうやらデマのようですね)
という事は、昔の甲子園の土と現在の甲子園の土では、含まれている成分が多少変わってきているのかもしれません。
また、中国から砂が輸入されているというのもちょっと意外ですね。
甲子園の土 入れ替えられることってある?
甲子園の土は継ぎ足し方式ですので、総入れ替えされる事はないのですが、実は春と夏の甲子園では土と砂の割合が少し違います。
春は、雨の日が多いという理由から、砂を多めにして水はけを良くし、夏はボールが見やすいように黒土が多めに配合されています。
砂が多いと、どうしても白っぽくなってしまうので、白球と色が被らないように工夫されているんですね。
他にも、部分的に入れ替えられることもあります。
2019年のシーズンから、甲子園のピッチャーマウンドの土が大リーグと同じ土に変更されました。
ただ、大リーグの土は硬いため、そのままでは高校球児がやりづらいだろうという事で、高校野球が行われる時だけ、従来の黒土に戻すようです。
甲子園の土を管理している阪神園芸さんですが、特に雨の日のグラウンドの整備の凄さから「神整備」なんて言われる事も多いです。
ただ、その他にもこうした画面越しからだけでは分からないような、細かな配慮がかなりされているという事なんですね。
甲子園の土ってなくならないの?補充したり入れ替えたりしてる?のまとめ
いかがでしたか?
ちなみになんですが、甲子園の土って原則的には持ち帰り禁止なんです。
ただ、高校球児が甲子園の土を持って帰るというのは、今ではすっかり夏の風物詩になってしまっているのと、全体の土の量から見ればあまり影響がない、ということから甲子園側としては「黙認」している、というのが現状みたいですね。
その為、高校球児が甲子園の土を持って帰っても、窃盗になるとかそういう事にはならないみたいですよ。
※甲子園の土を最初に持ち帰った人って誰?
⇒「甲子園の土を初めて持ち帰った人は?いつから慣習化されて土はその後どうする?」