男性は25歳、42歳、61歳、女性は19歳、33歳、37歳が厄年とされていますが、この年に「厄除け」のお祓いを受ける方も多いと思います。
ただ、不幸が重なってしまい、この厄年と喪中の期間が被ってしまった場合はどうすればいいのでしょうか?
よく、喪中の間は神社へ立ち入る事が出来ないと言われていますが、今回は喪中の時の厄除けについてお話していきたいと思います。
目次
喪中に厄除けのお祓いを受けるのはアリ?
一般的に「喪中の間は神社の鳥居をくぐってはいけない」と思われている方も多く、その為、もし喪中と重なった時は厄除けには行けないと考えている方も多いのではないでしょうか。
このことについて、実際のところはどうなのかを近くの「氷川神社」で聞いてみました。
神社の方曰く、
「忌中の期間を過ぎていれば、普通に神社でお祓いを受けて頂いて結構ですよ」
との事です。
要は、四十九日を過ぎていれば大丈夫という事ですね。
他の神社もこのようなところが多く、喪中=1年間神社に行けないというのはどうやら間違いのようです。
ところで、どうして喪中の間(一般的には1年間)は神社に行けないと思っている方が多いのでしょうか?
それにはどうやら、もう少し「喪中」という言葉について深く知る必要がありそうです。
喪中と忌中の違いは?
元々、「喪中」というのは「忌」と「服」の2つの期間から成り立っています。
・忌=外部との接触を断つ期間
・服=故人に哀悼の意を示し、少しずつ普段の生活を取り戻していく期間
神道(=神社)では「死=穢れ」とされており、この穢れを他所に移さないようにするの期間が「忌中」です。
その期間というのは、仏教では死者の魂の次の行き先が決まるまで四十九日かかるとされていますので、四十九日迄が「忌中」という事になり、四十九日法要が終わると「忌明け」という事になります(五十日祭を境に忌明けとする場合もあり)
ただ、日本の忌中という考え方は、中国から伝わった仏教と、日本の神道が結びついたものとされています。
その後は「服」の期間になる訳ですが、喪中の期間というのは明治時代の「太政官布告」で定められたものが基になっています。
この太政官布告では故人との続柄によって喪中の期間が異なっていましたが、現在では一般的に12ヶ月とされる事が多いようです。
このように、本来は喪中の期間に忌中が含まれている訳ですが、最近ではこの「忌」と「服」を一緒の意味にしてしまい「喪中」と一括りに表現されてしまう事が多い為、「1年間は神社に行ってはならない」と誤解されるようになってしまったのかもしれませんね。
喪中の厄除けを神社以外で受けられる場所は?
そもそも、厄除けのお祓いは神社でしか受けられないと思っている方も多いようで、実際私の周りにもそう勘違いしている人がいました。
しかし、厄除けのお祓いというのは「お寺」でも受ける事が出来るんですね。
というより、普段あまり意識していないかもしれませんが、実際にお寺で厄除けをしている方は多いハズです。
例えば、厄除けで有名な「川崎大師」。ここは真言宗智山派の「お寺」です。
しかもお寺の場合、神社のように「死=穢れ」という考え方ではない為、忌中でも厄除けを受けられるところが多いです。
よく、「喪中でもお寺なら大丈夫」と、色々なサイトに書かれているのはその為なんですね。
ただし、この言葉にも注意が必要で、全てのお寺が忌中でも大丈夫かと言われればそうではありません。
確かに「最上稲荷山妙教寺」のHPでは「身内の方が亡くなってもお参りされて結構ですよ」となっていますが、その一方で「西新井大師」のHPでは「七十七日忌がお済みであればどちらでも結構ですよ」となっています。
七十七日忌というのは四十九日にあたるものなんですが、逆の読み方をすれば「四十九日までは遠慮して下さいね」という事になります。
ですので、お寺に厄除けをお願いしたい時でも、一度そのお寺に電話などで確認してからの方が確実かと思います。
喪中に厄除けのお祓いはアリ?忌中との違いや神社以外で受けられる場所は?のまとめ
いかがでしたか?
基本的には、四十九日を過ぎれば神社でも厄除けのお祓いは受けられるようですね。
ただ、どうしてもやむを得ない状況の場合は、忌中でも受け付けてくれる事もあるそうなので、そのような時は一度神社へ相談してみて下さいね。