最近本を読む機会がすっかり減ってしまいました。
まあ、「忙しい」を言い訳にしてだらけているだけなんですが、それでも一時期は小説なんぞも読んでまして、一丁前に太宰治なんかを読んでる時期もありました。
日本では小説というと、「芥川賞」という有名な賞がありますが、でも名前はよく聞いていても実はどういった賞かはあまり知りません。
という訳で今回は芥川賞について調べてみることにしました。
目次
芥川賞の選ばれ方はどうやって行われる?
まず芥川賞とはなんですか?って事ですが、芥川賞は文藝春秋の創業者である菊池寛が友人の芥川龍之介の名を記念して昭和10年に制定された文学賞になります。
今更言うまでもない話ですが、芥川龍之介というと「鼻」や「蜘蛛の糸」、「羅生門」なんかは国語の教科書に掲載される程超メジャーな小説家ですね。
芥川賞の選考会は年に2回、上半期の7月と下半期の翌年の1月に行われますが、その都度ニュースなどで取り上げられます。
特に芸能人が候補に上がったりすると大きな話題になりますよね。
そしてその選考基準なんですが
・無名、または新人の作家である
・雑誌(同人雑誌含む)に発表されている
・純文学の中・短編作品である
これらに加え、対象期間中に刊行された作品のみが対象になります。
そしてこれら全ての条件を満たした作品の中から、芥川賞を主催する日本文学振興会を通して最終的な候補が絞られます。
その後、最終候補に残った作品は数名で構成される選考委員によって討議され、芥川賞が決定されることになります(該当者なしの場合もあります)
その為、芥川賞を受賞するには既に作品として発表されている必要があり、芥川賞を受賞する為に自ら応募したりするということは出来ないんですね。
芥川賞を二回受賞する事ってある?
芥川賞を二度受賞することはできるか?という事ですが、ここで歴代の受賞者一覧を見てみましょう。
回 | 年度 | 作者名 | 作品名 |
160回 | 2018年下半期 | 上田岳弘 | ニムロッド |
160回 | 2018年下半期 | 町屋 良平 | 1R1分34秒 |
159回 | 2018年上半期 | 高橋弘希 | 送り火 |
158回 | 2017年下半期 | 若竹千佐子 | おらおらでひとりいぐも |
158回 | 2017年下半期 | 石井遊佳 | 百年泥 |
157回 | 2017年上半期 | 沼田真佑 | 影裏 |
156回 | 2016年下半期 | 山下澄人 | しんせかい |
155回 | 2016年上半期 | 村田沙耶香 | コンビニ人間 |
154回 | 2015年下半期 | 滝口悠生 | 死んでいない者 |
154回 | 2015年下半期 | 本谷有希子 | 異類婚姻譚 |
153回 | 2015年上半期 | 羽田圭介 | スクラップ・アンド・ビルド |
153回 | 2015年上半期 | 又吉直樹 | 火花 |
152回 | 2014年下半期 | 小野正嗣 | 九年前の祈り |
151回 | 2014年上半期 | 柴崎友香 | 春の庭 |
150回 | 2013年下半期 | 小山田浩子 | 穴 |
こちらは第160回から150回まで遡ったものですが、同じ人が二度受賞したことはありませんね。
これはもっと以前まで遡っても同じです。
というのも、芥川賞は無名、もしくは新人の作家を対象としているので、言うなれば「新人賞」のような扱いになります。
どんな世界でも新人賞が取れるのは一度きりですが、それと同じように芥川賞も一度受賞したら二度目はもうありません。
芥川賞と直木賞って同時に獲得できるの?
芥川賞と同じくらい有名な賞に「直木賞」というものがありますね。
直木賞は芥川賞と同時期に制定されたもので、選考会も芥川賞と同じ年2回、上半期の7月と下半期の翌年の1月に行われます。
芥川賞と直木賞の違いは芥川賞が純文学を対象にしているのに対し、直木賞は大衆文学を対象にしています。
もうひとつは芥川賞は無名および新人の作家が対象ですが、直木賞は新人および中堅作家が対象になっています。ですので、ある程度有名な作家が受賞することもあります。
無名、新人、中堅といったラインや作風を線引きするのは非常に難しいところなんですが、要はどちらも同じ「新人賞」という感じになるんですね。
その為、どちらかの賞を受賞した場合、その時点でもう片方の選考対象からは除外されてしまいます。
よって、芥川賞と直木賞を両方同時に獲得することは出来ないという事になります。
ただし、芥川賞候補になって芥川賞を取れなかった作家が後に直木賞の最終候補にエントリーされたり、直木賞を受賞したりすることはあります。
もしくは芥川賞と直木賞、どちらの賞にもダブルノミネートされたりすることはありますけどね。受賞できるのはどちらか一方だけです。
ちなみにどちらの賞の方が格が上とかいうのは特にありません。
芥川賞の選ばれ方は?二回受賞したり直木賞と同時獲得する事ってある?のまとめ
いかがでしたか?
芥川賞は同じ人が二度受賞する事はないので、毎年必ず新しい作家が受賞されることになります。
今年はどんな作品が受賞するのか楽しみですね。