近年、エアコンの普及より夏の暑い日などでも涼しく過ごせるようになりました。最近は温暖化などの影響から設定温度を高くして運転するところも増えましたが、それでもエアコンが無かった時代に比べると、過ごしやすくなったのは言うまでもありません。
しかし、逆にエアコンの風を長時間受ける事によって体調を崩す方も多くなってきました。
「長時間エアコンの効いた部屋に居ると、どうも体調が悪くなる」という方、それはもしかしたら「クーラー病」、もしくは「冷房病」と呼ばれるものかもしれません。
「クーラー病」とは一体どんなものでしょうか?ここではクーラー病の症状や改善方法などについて説明していきたいと思います。
目次
クーラー病の症状は頭痛だけ?
そもそもクーラー病とは正式な病名ではなく、いわゆる造語です。エアコンなどの風を受け続け、体が冷やされ続けた事で自律神経が乱れ、その結果引き起こされる症状に対して「クーラー病」と呼ばれる事があります。
症状として頭痛を起こす方も割と多いですが、それだけではありません。
クーラー病の主な症状として
●頭痛
●だるさなどの疲労感や倦怠感
●不眠
●ストレスを感じたりイライラしたりする
●手足のむくみや肌荒れ
などがあり、人によってその症状は異なります。
頭痛や疲労感だけの方、これらの症状が複合的に起きる方、さらに酷くなると
●発熱
●めまい
●吐き気
といった症状が現れることもあります。
一見すると「風邪かな?」思いがちですが、放っておくと慢性化してしまう恐れもあるので注意が必要です。
クーラー病の治し方は?
残念ですが、クーラー病自体をを治す方法や薬というのはありません。
ですので、対応策や改善策を取る事が大切になります。
クーラー病は「体が冷やされ続けた事による自律神経の乱れ」ですので、基本的には体を温める、または冷やしすぎないようにする事が肝要です。
1、体を外側から温める
上着を1枚多く着たり、ひざかけや腹巻きをする。手袋やマスクなどをしてなるべく素肌を露出させないようにする。
2、体の内側から温める
温かい飲み物などを飲む。
運動ができるような環境の場合、軽い運動を取り入れる。もし、その際に汗をかいたらしっかりと拭き取る。
このように、冬の日の防寒対策と同じような事を心がけてみましょう。
1、エアコンの設定温度を見直してみる
エアコンの設定温度が低すぎる場合は少し高めに設定するようにしましょう。外気温との気温差が激しいと、それだけ自律神経が乱れやすくなります。最近は28°で設定する会社なども増えていますが、基本的には外気温-5°くらいを目安にすると良いと言われています。
2、食事内容を見直してみる
食事を抜いたり、栄養のバランスが悪かったりすると、代謝が悪くなり体が冷えやすくなります。1日3回の食事と栄養バランスの良い食事を摂るように心がけましょう。また冷たい食べ物や飲み物を摂り過ぎないよう注意する事も大切です。
職場などではなかなか自分の一存でエアコンの設定温度を変える事は難しいかもしれませんが、あまりに寒いと感じる場合は1度会社の方に相談してみてはいかかでしょうか?
また、症状が酷い場合は病院に行くとその症状に合わせた薬を処方されますので、あまりに症状が酷い場合は病院にかかることをおすすめします。
クーラー病と夏バテの違いは?
どちらも「自律神経の乱れによる体温調節機能の低下」でそれによって現れる症状もよく似ていますが、クーラー病は体を冷やし過ぎた為、夏バテは暑すぎて熱の発散が追いつかなくなった為と、その原因は真逆になります。
特に人間の体は体温を一定に保とうとしてエネルギーを消費し、その際かなりの負担がかかります。その負担が長引くと体の熱を外に放出できなくなり、その状態が続く事によって現れる症状が夏バテです。
ちなみに夏バテというくらいだから夏にしかならないと思われがちですが、実はそうではありません。気温の変化が激しい梅雨の時期なども注意が必要です。
まとめ
本来は快適に過ごす為のエアコンですが、それが原因で体を壊しては元も子もありません。
何度も言うようにクーラー病は「自律神経の乱れ」です。自律神経を整える為には、適度な運動、栄養バランスの良い食事、質の良い睡眠をとる事が大切です。
→睡眠の質に関する記事はこちら
普段の生活習慣を見直してクーラー病になりずらい身体づくりを心がけ、エアコンとうまく付き合っていけるようにしていきましょう。