お盆や法事、お葬式などに読まれるお経ですが、そのお経にも宗派によって様々な種類があります。
普段なかなかお経について考える機会も少ないかもしれませんが、今回は浄土真宗のお経についておさらいしていきたいと思いますので、良かったら参考にしていってください。
目次
浄土真宗のお経は正信偈?
浄土真宗で大事にされているお経はいくつかありますが、特に有名なのは「帰命無量寿如来」で始まる「正信偈(しょうしんげ)」です。
ただ、この正信偈ですが正確に言うとお経ではありません。
本来、お経とはお釈迦様の教えを誰でも読めるようにまとめたものですが、正信偈に書かれているのは浄土真宗の宗祖である親鸞聖人ご自身の事です。
ではなぜ正信偈が読誦されるようになったかと言うと、浄土真宗の歴史の中で1473年に蓮如上人が日常勤行(毎日行うお勤め)に正信偈を採用したのが始まりと言われています。
正信偈が採用された理由としては、他宗から転派してきた僧侶が、もともといた他宗の勤行式に従いそれぞれお勤めをしていたのに対し、浄土真宗にしかないものを使った勤行式を作る必要があったからではないか?と考えられています。
このような事から、本来お経ではない正信偈ですが、お経のような扱いとして今では読誦されることも多いという訳ですね。
浄土真宗のお経とは?
正信偈が本来の意味のお経ではないとすると、浄土真宗のお経とは一体何になるのでしょうか?
浄土真宗で特に大事にされているお経は3つあります。
・観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)
・阿弥陀経(あみだきょう)
・大無量寿経(だいむりょうじゅきょう)
この3つのお経を「浄土三部経」と言いますが、この浄土三部経が最も大事とされ、扱いとしては正信偈よりも上になります。
中でも3つ目の大無量寿経こそがお釈迦様の本心が説かれている教典だと親鸞聖人は断言しているそうです。
浄土真宗が般若心経を読むのはタブー?
浄土真宗以外の宗派で読誦される事の多い般若心経ですが、浄土真宗の僧侶の方や門徒の方がご本尊の前で読誦する教典としては認められていません。
般若心経が良いとか悪いとかの問題ではなく、「読む必要が無い」為です。
例えば学校の校歌でもわざわざ他の学校の校歌を覚えて歌ったりはしませんよね?
他の校歌が悪いという訳ではなく、歌う必要がないし、歌ったところで「何か歌詞が学校のイメージに合わないな」という事にもなりかねません。
それと同じように浄土真宗では上述した浄土三部経や正信偈を大切にされていますので、わざわざ般若心経を読誦する必要が無いという訳ですね。
ただ、確かにご本尊の前で般若心経を読誦する事はありませんが、また違った角度から浄土真宗を理解する手助けにもなり得ますので、般若心経を学ぶことは決して無意味ではありません。
浄土真宗のお経を覚えるには?
お経というは1回聞いたり、読んだりしたからって覚えられるものではありません。
かと言って毎日お寺に通うのも大変だと思います。
毎日のお勤めとして家で練習しながら覚えられればいいですね。
経本はお寺からいただけると思いますが、最近は本やCDなども発売されているようです。
CDに合わせて練習すると覚えやすいかもしれません。
ただ、注意していただきたいのは、CDにお経をお任せしてしまっては本来の意味を損ねてしまうので、必ずご自身も一緒に読誦するようにしましょうね!
以下に参考として正信偈のCDを紹介させていただきます。
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まとめ
いかがでしたか?
今回は浄土真宗のお経についてお話してみました。
今回の記事が少しでもあなたのお勤めのお役に立てれば幸いに思います。
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